OPLAN 5026
OPLAN 5026/CONPLAN 5026は、利用できる文献において、決定的な標的を破壊し、主要戦域戦の開始を構成しない北朝鮮に対する外科手術的打撃と結び付いている。
北朝鮮の核プログラムを処理するための一想定は、核兵器の生産、保管、又は配備と関係しているものと信じられる施設に対する外科手術的打撃から成る。当該打撃は、1981年のイラクのオシラク原子炉に対するイスラエルの先制打撃に例えられる。
B-2ステルス爆撃機とF-117ステルス戦闘機を使用して、合衆国は、寧辺の再処理施設を含む北朝鮮中の複数の標的を打撃することができる。第49戦闘航空団のF-117の韓国への配備と、B-52及びB-1Bのグアムへの配備は、数多くの偶発事態を起こすかも知れない地域に対する能力を著しく向上させた。
1993〜1994年の核危機中、クリントン政権内の国防筋は、寧辺に対する外科手術的打撃の実行のための暫定計画の立案を開始した。当該計画は、F-117を含む追加飛行隊の韓国配備、第2歩兵師団の要素を増援するための地上部隊数個大隊の配備、及びその攻撃機及びトマホーク巡航ミサイルを有する空母打撃軍の追加機の配備から成った。USFK司令官Gary Luck将軍により立案されていた計画は、非常に短期間、2日以内に実行できるように企図された。
北朝鮮に対する軍事打撃を複雑化し得る各種要素が存在する。第1に、明らかな標的たる多数の施設が存在するが、単発の外科手術的打撃が北朝鮮の能力を除去できそうもない位、以前に確認されたものより多くの場所が存在する高度の可能性がある。約2発の核爆弾を生産するのに十分なプルトニウムは、今なお報告されておらず、物質は、異なる施設に位置している公算が大きい。
大量の深く埋められた地下目標は、多数の疑惑基地が山中の地下にあると思われるのとは別問題である。このことは、いくつかの通常弾頭が重要地域まで到達するのに威力が不十分かも知れないため、使用できる弾薬の種類を制限する。これら施設の入口は、一度確認されれば、当該入口の崩壊をもたらすため、標的となり得る。
航空打撃と関連した衝撃は、放射線の放出から北朝鮮の報復までに及ぶ極めて重大な者となり得る。寧辺原子炉その他の核生産疑惑施設に対する打撃は、地域全体に対して否定的な影響を有し得る放射線を放出し得る。
戦果を最大化するが、北朝鮮の報復の可能性を制限するような方法での打撃の手配は、極めて難しい。北朝鮮指導部は、既に極度に偏執狂で、米国の軍事行動
に敏感であり、いかなる航空打撃にも全面戦争の開始で反応することに傾いている。
北朝鮮の反応を阻止又は最小化するために、合衆国は、指揮・統制所並びに米軍及びソウルを含む韓国の標的を脅かす砲座を打撃することも選ぶかも知れない。ミサイル守備隊
も、日本及び韓国南部地域
に対する脅威を除去するために標的とされ得る。使用される航空機に応じて、合衆国は、緊要目標を取り巻く北朝鮮の防空網を鎮圧するという困難な努力も行わなければならないかも知れない。このことは、より限定的な打撃よりはむしろ、北朝鮮の解放
を狙いとした方が合衆国にとって単純であるかも知れない位大規模な標的リストを作成する追加の問題を提起する。
2003年3月初めの韓国及びグアムへの追加資産の配備は、合衆国が外科手術的打撃を実行する場合、有用な地域に対する能力を大幅に増加させた。2003年2月28日、B-52H×12機とB-1B×12機が、グアムのAndersen空軍基地への配備を命じられた。3月10日、第3戦闘航空団は、第90戦闘飛行隊からF-15E×24機と約800人の航空兵を烏山空軍基地に配備した。3月14日、第49戦闘航空団のF-117×6機が、群山空軍基地に到着した。
これらの戦力は、多数の打撃を実行するのに十分である。上記の各機体は、精密誘導爆弾、特にJoint Direct Attack Munitionを運搬する能力を有する。24機のF-15Eストライク・イーグルは、計96発のJDAM(各機4発)を運搬でき、F-117は、JDAM×12発(各機2発)を運搬でき、B-1Bランサーは、JDAM×288発(各機24発)を運搬でき、B-52Hは、216〜360発のJDAM(各機18発で、外部パイロンの使用に応じる。)を運搬できる。これら資産の全てが使用されれば、合衆国は、612から756ヶ所の照準点を打撃する能力を有することになる。
これは、勿論、グアムのWhiteman空軍基地から配備されるB-2スピリットを含んでいない。各B-2は、2,000lb JDAM×12発を運搬できる。B-2は、通常戦役の最初の打撃に参加する以上、この機は使用されそうである。北朝鮮
に対する打撃に使用されるB-2の機数に関する見積は、高度に推測的である。以前の作戦、特にアフガニスタン及びイラクでは、2から4機が使用された。
群山及び烏山空軍基地に通常駐屯する資産の包括は、3個F-16飛行隊の内2つのみが使用できるJDAMの総数をわずかに増加させるだけだろう。群山の第35戦闘飛行隊は、JDAMを使用できるように改良されたF-16CD Block 40である。群山の第80戦闘飛行隊は、Block 30 F-16CDを飛ばしているが、レーザー誘導爆弾を使用できるように改良されており、2003年7月8日、第80飛行隊は、その機体がJDAMを運搬できるようにされた改良を誇示した。第36戦闘飛行隊は、当該能力を有さない。外科手術的打撃への第35戦闘飛行隊及び第80戦闘飛行隊
の包括は、計800から944ヶ所の照準点にJDAM×192発を追加するだろう。
最後に、合衆国は、トマホーク巡航ミサイルを発射に利用できる多数の艦艇及び潜水艦を保有している。6月中旬現在、合衆国は、約15隻から成る2個空母打撃群をアジア・太平洋地域に有していた。空母の外、タイコンデロガ級巡洋艦×2隻、アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦×3隻、スプルーアンス級駆逐艦×2隻、及びオリバー・ハザード・ペリー級ミサイル・フリゲート艦×4隻が存在する(これは、真珠湾の艦艇を含まない。)。
キティホークとその打撃群の要素は、5月初めに横須賀に帰港し、それ以来、早くても11月頃までキティホークを使用できなくする拡張整備期間に入った。打撃群の残りの即応性は、ある艦艇は停泊期間に入り、あるものはそうではないため、決定するのが難しい。トマホーク巡航ミサイルを発射できる466基のVLS発射機が存在する。
USSカール・ビンソンとその打撃群の要素は、キティホークがイラク・フリーダム作戦を支援するために配備され、修理を受けている間、確実な抑止力を保証するために現在配備されている。その配備中、カール・ビンソンは、韓国沿岸を含む太平洋の複数の地域において、作戦を実行している。南太平洋で作戦を実行するかも知れないが、その打撃群の要素は、海上阻止作戦に任務変更され得る。カール・ビンソン空母打撃群は、トマホーク巡航ミサイルを発射できる307基のVLS発射機を有する。
北朝鮮に対する打撃がどうなるか、いかなるものから構成されるかの決定は、標的リストがWMD施設が限定されるか、地対空ミサイル部隊、防空レーダー、及び指揮・統制所
のような他の標的も包括するか次第である。パイロットの危険度は、空襲が大規模か、小規模なのかを決定するに当たって、役割も演じるかも知れない。
北朝鮮に対する打撃は、国中の固定目標を打撃する巡洋艦、駆逐艦
及び潜水艦から発射される多数の地上攻撃ミサイルからなり得る。2隻の航空母艦から発艦し、北朝鮮のレーダー放射と通信を制圧するEA-6Bプラウラーと共に、B-2及びF-117ステルス機は、優先度が高い標的の打撃を進行するために北朝鮮領空に侵入することができ、B-1B及びB-52のような他の重爆撃機
は、他の標的への打撃を開始する。
2003年5月後半から6月頃まで、演習の支援又は合衆国の抑止力を支えるために韓国又はグアムに派遣されていたほぼ全ての航空機は、合衆国に帰還した。
最終更新日:2004/03/19